電動車椅子のブレーキシステムを選ぶ際、安全性は非常に重要なポイントです。一般的に使われるブレーキシステムには、電磁ブレーキと機械式ブレーキの2種類があります。それぞれの違いを理解することで、ご自身のライフスタイルや移動ニーズに合った最適な選択ができます。
1. 仕組み
電磁ブレーキ
電磁ブレーキは、車椅子が動いていないときに自動的に作動します。電流を使ってモーターのシャフトにブレーキパッドを押し付けて固定し、ユーザーがジョイスティックやコントローラーを操作すると電流が切れてブレーキが解除され、動けるようになります。
機械式ブレーキ
機械式ブレーキは手動で動作します。一般的にはレバーを操作して車輪や軸にブレーキパッドを押し当てる仕組みで、自転車のブレーキに似ています。一部のパワー車椅子では、緊急用やバックアップとして使用されることもあります。
2. 主な違い
特徴 | 電磁ブレーキ | 機械式ブレーキ |
---|---|---|
操作方法 | 自動(ユーザー操作不要) | 手動(ユーザーの操作が必要) |
安全性 | 停止時や電源オフ時に自動でロック | 自動で作動しない場合あり |
使いやすさ | 非常に簡単、力不要 | 力や手の届く範囲が必要 |
メンテナンス | 頻度は少ないが専門的な整備が必要な場合あり | シンプルだが定期的な点検が必要 |
停電時の信頼性 | 電源オフでもロック状態を維持 | 手動で操作しないと作動しないことがある |
3. 電磁ブレーキの利点
- ハンズフリー操作:手動での操作が不要。
- 自動安全機能:ジョイスティックを離すと自動で停止・ロック。
- 坂道に最適:後退を防止。
4. 機械式ブレーキの利点
- シンプルな構造:技術的な知識がある方には理解・整備しやすい。
- バックアップとして有効:電子システムが故障した際の代替手段。
- コストが低い:一般的に電磁ブレーキより安価。
どちらを選ぶべき?
使いやすさ、安全性、自動化を重視し、特に屋外や不整地での使用が多い場合は、電磁ブレーキが一般的におすすめです。多くの最新モデル、例えばEASWE A10やB10にも標準搭載されています。
一方、基本的でコストを抑えたシステムや、バックアップとしての利用を希望する場合は、軽量のトランスポートチェアなどで機械式ブレーキが十分な場合もあります。
結論
両者にはそれぞれメリット・デメリットがあります。最適な選択は、あなたの移動ニーズや体力、使用状況によって異なります。迷った場合は、車椅子の販売店やモビリティ専門家に相談して、最適な製品を選びましょう。